予測市場広告の効果測定:アトリビューション・トラッキング・レポート
重要ポイント
- 広告費:予測市場は2026年の最初の7か月間で、デジタル広告に約2億ドルを投じました。
- ファネルでの離脱:Blockchain-Ads は Dexsport で1件あたり13.57ドルで2,210件の登録を記録しましたが、入金した初回入金者は110人で、1人あたり272.73ドルでした。
- LTV:CAC のベンチマーク:Stripe は、獲得費用の一般的なベンチマークとして LTV:CAC 比率3:1を挙げています。
- イベントによる急増:Reuters によると、2026年の NFL シーズン開幕週末の土曜日、予測市場の取引高は31億7,000万ドルに達しました。
- ブラウザシェア:2026年8月時点で Chrome は世界のブラウザ利用シェアの69.4%、Safari は15.8%を占め、それぞれトラッキングの扱いが異なります。
予測市場は2026年の最初の7か月間で、デジタル広告に約2億ドルを投じました。これだけの資金がユーザー獲得に投じられる中、どの広告が入金済みトレーダーにつながっているかを把握することは、トレーダーにリーチすることと同じくらい重要です。
ただし、トレーダーがデバイスを切り替えたり、ウェブとアプリを行き来したり、後から KYC を完了したり、大型イベントの前後に戻って取引したりすると、予測市場のアトリビューションは複雑になります。本ガイドでは、測定すべき指標、使うべきアトリビューションモデル、トラッキングが途切れる箇所、そしてキャンペーンの広告費を意味のあるコンバージョンに結び付ける方法を解説します。
予測市場キャンペーンの効果測定とは?
予測市場キャンペーンの効果測定とは、最初のキャンペーン接触から登録、KYC、入金、取引に至る獲得ジャーニー全体で、広告費とトレーダーの行動を結び付けることです。これにより、トレーダーがどこでコンバージョンし、どこで離脱するかがわかります。登録単価が低いと効率的に見えますが、そうしたトレーダーの多くが KYC の完了、口座への入金、初回取引まで進まない可能性があります。
予測市場のアトリビューションは、こうしたコンバージョンを、影響を与えたキャンペーンやタッチポイントに結び付けます。これにより、どのキャンペーンが入金済みトレーダーを獲得しているか、そのコストはいくらか、コンバージョン後にトレーダーが何をしているかが明らかになります。
💡トレーダーへのリーチと獲得について幅広く知りたい方は、予測市場広告のガイドをご覧ください。
予測市場キャンペーンの測定が難しい理由

トレーダーのジャーニーが1か所や1回のセッションで完結することはまれなため、予測市場のアトリビューションは複雑になります。予測市場キャンペーンの測定を難しくしている主な課題は次のとおりです。
ウェブ、アプリ、オンチェーンを行き来するトレーダー
トレーダーはウェブで広告を見つけ、アプリで登録し、その後オンチェーンで入金や取引を行うことがあります。こうした環境の違いによって、元のキャンペーン接触とコンバージョンのつながりが途切れることがあります。
たとえば、Google Ads のクロスデバイス コンバージョンの定義では、あるデバイスで広告に接触し、別のデバイスでコンバージョンしたケースを指します。これらの接触を同一のトレーダーに照合できない場合、アトリビューションはコンバージョンを過少に計上したり、誤った流入元に割り当てたりする可能性があります。
そのため、予測市場キャンペーンのトラッキングの精度は、これらのタッチポイントをまたいで同一のトレーダーを認識できるかどうかにかかっています。
ウォレット ID とデバイス ID
デバイス ID は広告に接触したブラウザやデバイスを識別し、ウォレットアドレスはブロックチェーンのウォレットに紐づく行動を記録します。オンチェーンの予測市場では、この2つが同じトレーダー ジャーニーの異なる部分を表すことがあります。
課題はこれらを照合することです。マーケターは、あるデバイスが広告をクリックし、その後あるウォレットで入金や取引が行われたことを把握できても、両者が同じトレーダーのものかどうかまでは判断できない場合があります。
たとえば、Blockchain-Ads は、ウォレット接続が利用できる場合、ハッシュ化したデバイス識別子とウォレットアドレスを同じ匿名 ID に紐づけます。これにより、オフチェーンのキャンペーン接触とオンチェーンの行動が結び付きます。
登録から入金済み取引までの KYC ギャップ
登録で確認できるのはアカウント作成までで、入金と取引はその後に続く別のステップです。規制下の予測市場では、登録と取引の間に本人確認が入り、予測市場のユーザー獲得戦略にもう1つの段階が加わります。
たとえば Kalshi は、規制要件を満たすため、トレーダーに本人確認の完了を求めています。確認プロセスによっては、アカウントが承認される前に追加情報が必要になる場合もあります。
つまり、登録単価が捉えるのは登録までです。KYC 完了、入金、初回取引をトラッキングすれば、獲得したトレーダーのうちどれだけが先へ進み、どこで離脱しているかがわかります。
イベントによる急増がアトリビューションウィンドウを歪める
予測市場の需要は、スポーツの試合、選挙、経済指標の発表、速報ニュースの前後で大きく変動します。そのため、広告接触から取引までの期間が予測しにくくなります。
Reuters によると、2026年の NFL シーズン開幕週末の土曜日に、予測市場の取引高は31億7,000万ドルに達しました。日曜日にはさらに31億2,000万ドルが加わりました。
アトリビューションウィンドウが短すぎると、イベントへの関心が高まったタイミングでコンバージョンするトレーダーを取りこぼす可能性があります。長すぎると、主にイベント自体が促した取引を、それ以前のキャンペーンの成果として計上してしまう可能性があります。
そのため、アトリビューションウィンドウには、コンバージョンまでのタイムラグと、プロモーション対象のイベントのタイミングの両方を反映させる必要があります。これらの課題を踏まえ、次のステップはキャンペーンの成果を最も明確に示す指標を決めることです。
何を測定するか:重要な指標

有用な効果測定フレームワークは、2つの問いに答えるものです。キャンペーンはトレーダーを効率的に獲得できているか、そしてその成果を生み出している要因は何か、という問いです。
そのためには、事業上の指標と、トレーダー ジャーニーの各段階のコンバージョンデータを組み合わせる必要があります。測定すべき項目は次のとおりです。
CAC、LTV、LTV:CAC のガードレール
顧客獲得単価(CAC)は、トレーダー1人の獲得にかかる費用を測定します。ただし、その有用性は何を「獲得」とみなすかによって変わります。登録、本人確認済みアカウント、入金済みトレーダーは、それぞれ異なる段階を表します。
顧客生涯価値(LTV)は、獲得したトレーダーが長期的にどれだけの価値を生み出すかを示します。両方を見ることで、獲得コストの低さだけでキャンペーンが成功に見えてしまう事態を防ぎ、トレーダーが実際に生み出す価値まで評価できます。
LTV:CAC 比率は、規模拡大の際のガードレールとして機能します。Stripe は一般に受け入れられているベンチマークとして3:1以上を挙げており、予測市場の事業者にとっては業界全般の参考値として位置づけるのが適切です。
💡業界のベンチマークや市場データについては、予測市場の統計ガイドもご覧ください。
ファネルイベント:訪問またはインストール、登録、KYC、入金済み初回取引
各ファネルイベントを個別にトラッキングし、どれだけのトレーダーが先へ進んでいるかを確認します。
- 訪問またはインストール:ウェブサイトにアクセスする、またはアプリをインストールする。
- 登録:アカウントを作成する。
- KYC:本人確認を完了する。
- 入金済み初回取引:口座に入金し、初回取引を行う。
登録の段階で測定を止めると、獲得の成果が実際より大きく見えることがあります。たとえば Blockchain-Ads は Dexsport で、1件あたり13.57ドルで2,210件の登録を記録しましたが、初回入金者は110人で、1人あたり272.73ドルでした。
各段階をトラッキングすると、トレーダーがどこで離脱し、ファネルの深い段階で獲得コストがどう変化するかがわかります。登録率が高くても、KYC や入金の途中、あるいは初回取引の前にトレーダーが離脱すれば、入金済みトレーダーの獲得は低調になり得ます。
コンバージョンイベントはキャンペーン目標に合わせる
メインのコンバージョンイベントは、キャンペーン目標に基づいて選びます。登録キャンペーンは登録数を、入金キャンペーンは入金済みアカウント数を最適化の対象にします。
Google Ads では、メイン コンバージョンとサブ コンバージョンによってこの役割を分けています。メイン コンバージョンは入札に使われ、サブ コンバージョンはレポートや分析に引き続き利用できます。
これにより、マーケターはキャンペーン目標に向けて最適化しながら、残りのファネルデータを成果の分析に活用できます。何をコンバージョンとみなすかが決まったら、次はそのアトリビューション方法です。
予測市場キャンペーンのアトリビューションモデル

アトリビューションモデルは、各マーケティング タッチポイントがコンバージョンにどれだけ貢献したかを割り当てる仕組みです。選ぶモデルによって、成果を生み出しているように見えるキャンペーン、チャネル、クリエイティブが変わることがあります。
予測市場キャンペーンで検討すべき5つのアトリビューションモデルは次のとおりです。
ファーストタッチとラストタッチ
ファーストタッチ アトリビューションは、トレーダーを最初にプラットフォームへ導いた接触に貢献度をすべて割り当てます。ラストタッチは、コンバージョン直前の最後の接触に貢献度を割り当てます。
たとえば、トレーダーがディスプレイ キャンペーンでプラットフォームを知り、数日後に検索広告経由で再訪し、口座に入金したとします。このコンバージョンは、モデルによって異なるチャネルの成果として表示されます。
ファーストタッチは新規トレーダーを呼び込んでいるキャンペーンを、ラストタッチはコンバージョンに最も近い接触を示します。どちらもジャーニーの一部分を捉えるモデルであり、ファーストタッチはその後の行動を過小評価し、ラストタッチはファネル下層のキャンペーンを過大評価する可能性があります。
マルチタッチ
マルチタッチ アトリビューションは、コンバージョンの貢献度を複数のマーケティング タッチポイントに配分します。
たとえば、トレーダーがディスプレイ広告で予測市場を知り、その後リターゲティング広告を見て、検索広告経由で入金したとします。線形モデルは3つの接触に貢献度を均等に配分し、データドリブン モデルは各タッチポイントの推定貢献度に基づいて配分します。
トレーダーが登録、KYC、入金、初回取引に至るまでに複数のタッチポイントを経由する場合、このモデルはより広い視点を提供します。
ビュースルー(ディスプレイ、ネイティブ、CTV)
多くの広告はクリックを介さずに効果を発揮します。予測市場の広告プラットフォームで利用できるディスプレイ、ネイティブ、動画、CTV の各フォーマットでは、特にその傾向が顕著です。
ビュースルー アトリビューションは、後のコンバージョンを、それ以前のインプレッションに結び付けます。たとえば Google Ads では、ユーザーが対象となる広告を見て、その広告を操作せずに後でコンバージョンした場合に、ビュースルー コンバージョンとして記録します。
アトリビューションウィンドウの設定が重要です。ウィンドウを長くすると遅れて発生するコンバージョンをより多く捉えられますが、影響の小さかったインプレッションに貢献度を割り当てる可能性も高まります。
プロのヒント:ビュースルー コンバージョンとクリックスルー コンバージョンを分けてレポートし、表示された広告とクリックされた広告の役割を区別することをおすすめします。
インクリメンタリティテスト
インクリメンタリティテストは、キャンペーンが生み出したコンバージョンが、広告がなくても発生していたかどうかを検証します。大型のスポーツの試合、選挙、経済指標の発表が、キャンペーンと並行してオーガニックな需要を生む場合に特に重要です。
広告に接触したグループと、条件の近いホールドアウト グループを比較できます。入金済みトレーダー数や初回取引数の差から、キャンペーンが生み出した追加のコンバージョンを推定します。
では、どのモデルが自社のキャンペーンに適しているのでしょうか。確認していきましょう。
目標別に適したモデル
キャンペーンデータで裏付けたい意思決定に合わせて、アトリビューションモデルを選びます。
| キャンペーン目標 | 主なモデル | あわせて確認する項目 |
|---|---|---|
| 新しい GEO やオーディエンスでの認知拡大 | ファーストタッチ | そのトレーダーが後に KYC 完了、入金、取引に至ったか |
| 登録や KYC 完了の促進 | ラストタッチ | コンバージョンを補助した、それ以前のタッチポイント |
| 入金済みトレーダーの獲得 | マルチタッチ | トレーダーの流入地点とコンバージョン地点を把握するためのファーストタッチとラストタッチの視点 |
| ディスプレイ、ネイティブ、動画、CTV の測定 | ビュースルー | クリックスルー コンバージョンと増分効果 |
| オーガニック需要を超えるコンバージョンの測定 | インクリメンタリティ | 増分の入金済みトレーダー数、初回取引数、取引額 |
💡メディアの計画と購入について詳しくは、予測市場のメディアバイイングガイドをご覧ください。
データを損なうトラッキングの欠落
適切なアトリビューションモデルを使っていても、予測市場のコンバージョントラッキングに欠落があると結果が歪みます。コンバージョンが消えたり、誤った流入元に表示されたり、トレーダーの実際のコンバージョン経路とは異なる形で貢献度が割り当てられたりすることがあります。
特に注意すべき欠落は次の3つです。
クロスデバイスとウェブからアプリへの移行
次のようなジャーニーを考えてみましょう。トレーダーがデスクトップで広告をクリックし、後でスマートフォンからプラットフォームを開き、アプリ内で KYC を完了したり口座に入金したりします。これらの接触を照合できないと、ジャーニーは別々のセッションに分断され、元のキャンペーンが貢献度を失う可能性があります。
Microsoft は、同じユーザーがデバイスごとに異なる識別子で現れるため、クロスデバイス アトリビューションは難しいと指摘しています。予測市場のマーケターにとっては、キャンペーンがトラフィックや登録を生み出しているように見えても、獲得した入金済みトレーダーが計上されないという事態につながります。
シグナルの損失と Cookie レスへの対応
ブラウザやプライバシー設定により、オーディエンス全体でトラッキングの精度にばらつきが生じます。2026年8月時点で、Chrome は世界のブラウザ利用シェアの69.4%を占め、Safari は15.8%でした。それぞれクロスサイト トラッキングの扱いが異なります。
- Safari:WebKit はサードパーティ Cookie をデフォルトでブロックし、その他のクロスサイト トラッキングも制限します。
- Firefox:Total Cookie Protection は、Cookie を作成元のサイト内に限定します。
- Chrome:Google はサードパーティ Cookie の利用をユーザーが選択できるようにしており、シークレット モードではデフォルトでブロックされます。
同意の選択、Cookie の削除、識別子の有効期限切れによって、トレーダーが KYC 完了、入金、取引に至る前にさらにシグナルが失われることがあります。その結果、キャンペーンレポートで元の獲得元が失われたり、コンバージョンが後の接触に割り当てられたりする可能性があります。
イベントウィンドウの歪み
イベントウィンドウの歪みは、アトリビューションウィンドウがトレーダーのコンバージョンまでにかかる期間と一致しない場合に発生します。
短すぎる場合:ウィンドウが閉じた後にトレーダーが KYC 完了、入金、取引を行うため、キャンペーンに貢献度が割り当てられません。
長すぎる場合:トレーダーが選挙関連のキャンペーンを見て、数週間後、大きな世論調査の発表を受けて取引したとします。取引のきっかけは調査結果であっても、キャンペーンに貢献度が割り当てられる可能性があります。
たとえば AppsFlyer では、クリックスルー アトリビューションのデフォルトウィンドウを7日間、ビュースルー アトリビューションを1日間としており、接触の種類によって期間が異なることがわかります。
注:キャンペーンによる本来のコンバージョンを捉え、他の要因によるコンバージョンを除外できるウィンドウを選ぶことが大切です。
解決策:サーバーサイドとファーストパーティのトラッキング
サーバーサイド トラッキングは検証済みのコンバージョンイベントを自社のバックエンドから送信し、ファーストパーティ トラッキングはキャンペーン識別子とコンバージョンデータを自社で管理するシステム内に保持します。
シンプルな設定の流れは次のとおりです。
- トレーダーが広告から流入した時点で、キャンペーン ID またはクリック ID を取得します。
- 登録から KYC まで、その ID をトレーダーのレコードとともに保存します。
- バックエンドで入金または初回取引が確認されたら、一致する ID を付けてコンバージョンイベントを送信します。
Blockchain-Ads のサーバー・ツー・サーバー トラッキングは、キャンペーン接触から報告されるコンバージョンまで固有のクリック ID を引き渡し、収益トラッキング用に取引額を含めることもできます。
ID や同意に関する欠落は一部残りますが、サーバーサイドとファーストパーティのトラッキングによってブラウザのシグナルへの依存を減らし、確定したコンバージョンを元のキャンペーンに結び付けやすくなります。
効果測定フレームワークの構築方法

有用な効果測定フレームワークは、「どのキャンペーンが重要な成果を生み出しているか」という1つの問いに明確に答えるものです。
効率的な測定体制を構築するには、次のステップに従います。
1. ジャーニーに沿ってコンバージョンイベントを設定する
キャンペーン目標に合ったコンバージョンイベントを選びます。獲得キャンペーンでは KYC 承認を、アクティブな取引を重視するキャンペーンでは入金済み初回取引を最適化の対象にできます。リテンションであれば、リピート取引や取引額が候補になります。
各イベントのトリガーを正確に定義します。初回取引であれば、トレーダーが注文を出した時点、注文が約定した時点、最低取引額を超えた時点などが考えられます。イベント名、トリガー、タイムスタンプは、キャンペーンレポート、プロダクト分析、財務システムの間で統一しておきます。
2. すべてのタッチポイントをつなぐ
トレーダーが流入した時点でキャンペーン ID またはクリック ID を取得し、後で必要になる識別子と結び付けます。
- 登録、KYC、入金、取引の行動にはアカウント ID。
- ジャーニーがウェブからアプリへ移る場合はアトリビューション ID。
- ウォレットでの行動がジャーニーの一部となる場合はウォレット ID。
デバイスの切り替え、同意の選択、プライバシー設定によって欠落が生じることはありますが、利用可能な識別子をつなぐことで、キャンペーン接触からトレーダーの行動までの経路を維持できます。
3. モデルとアトリビューションウィンドウを選ぶ
前述のとおり、アトリビューションモデルはキャンペーン目標に合わせて選びます。認知獲得にはファーストタッチを、コンバージョンに最も近い接触の把握にはラストタッチを使います。複数のチャネルが貢献する場合はマルチタッチを、ディスプレイ、ネイティブ、動画、CTV などインプレッション主体のフォーマットにはビュースルーのレポートを採用します。
次に、クリックとインプレッションで別々のウィンドウを設定します。コンバージョンまでの所要時間のデータを使って、トレーダーが登録、KYC、入金、初回取引に至るまでの期間を確認し、それに応じてウィンドウを設定します。クリックスルーとビュースルーの結果は分けて扱い、類似キャンペーンを比較する際は同じ設定を使います。
4. コホート別にレポートする:チャネル、オーディエンス、クリエイティブ、GEO、イベント
次に、予測市場の広告レポートを細分化し、成果が実際にどこから生まれているかを確認します。単一の CPA だけでは、安価な登録を多く生む一方で入金済みトレーダーが少ないキャンペーンを見落とす可能性があります。
| 分析の切り口 | 確認するポイント |
|---|---|
| チャネル | 入金済みトレーダーと初回取引をもたらしている流入元はどこか? |
| オーディエンス | KYC を完了し、入金し、取引を続けているのはどのグループか? |
| クリエイティブ | 登録の先までトレーダーを進ませているメッセージとフォーマットはどれか? |
| GEO | 獲得コストとトレーダー価値の面で優れているのはどの市場か? |
| イベント | コンバージョンの各段階の間で、トレーダーはどこで離脱しているか? |
| 獲得コホート | 同じ週や月に獲得したトレーダーは、入金と取引を続けているか? |
獲得コストの安さに加えて、その後の価値まで見ることが重要です。獲得コストが高めのオーディエンスでも、長期的に取引を続ける入金済みトレーダーをより多くもたらす場合があります。
5. レポーティング基盤へのエクスポートまたは連携
キャンペーンデータとトレーダーの行動をレポーティングツールに取り込み、広告費と獲得後のトレーダーの行動を比較できるようにします。
統合するデータは次のとおりです。
- 広告費、クリック数、キャンペーン ID、クリエイティブ ID、オーディエンスなどのキャンペーンデータ。
- 登録、KYC、入金、初回取引、リピート取引などのトレーダーの行動。
- 入金額、取引額、収益などの価値データ。
- クリック ID、流入元、モデル、アトリビューションウィンドウなどのアトリビューションデータ。
Blockchain-Ads は、AppsFlyer、Keitaro、Voluum、Google Analytics、Mixpanel などの測定・アトリビューションツールと連携しています。
予測市場の広告キャンペーンをテストする前に、設定全体でテストコンバージョンを実行します。キャンペーン識別子が引き継がれ、各システムでコンバージョンが正しく表示されることを確認してください。
コンバージョンイベント、タッチポイント、アトリビューションのルール、レポートが揃えば、キャンペーンの広告費からトレーダーの行動まで成果をたどれるようになります。
Blockchain-Ads による予測市場キャンペーンの測定方法

Blockchain-Ads は、キャンペーンのクリックを、測定対象として選んだコンバージョンイベントに結び付けます。設定の流れは次のとおりです。
1. コンバージョンイベントを作成する
Blockchain-Ads HUB で、登録や初回入金など、測定したいアクションごとに個別のコンバージョンを作成します。
各コンバージョンで、次の項目を設定します。
- コンバージョン名
- コンバージョンカテゴリ
- トラッキング方法
2. トラッキング方法を選ぶ
Blockchain-Ads は3つのトラッキング方法に対応しています。
- 手動ピクセル:該当ページに Blockchain-Ads のピクセルを設置します。
- Google Tag Manager:GTM 経由でコンバージョンを発火させます。
- サーバー・ツー・サーバー:自社サーバーから直接コンバージョンを送信します。
S2S トラッキングでは、Blockchain-Ads がキャンペーンのクリックとともに固有の {clickid} を渡します。お客様のシステムでそれを保存し、コンバージョン発生時に返送することで、コンバージョンが元のキャンペーン接触に結び付きます。
3. 必要なデータを渡す
広告主は、コンバージョンとあわせて次のデータを渡せます。
- 収益と ROAS の測定に使う取引額(Transaction Value)
- ウォレット単位のデータが関係する場合のウォレット ID(Wallet ID)
これらの項目は、基本のイベント数はそのままに、コンバージョンに詳しいコンテキストを加えます。
4. キャンペーン結果を確認する
Blockchain-Ads のレポートでは、コンバージョンデータがキャンペーンの成果とあわせて表示されます。広告主は、どのキャンペーン施策が測定対象のコンバージョンを生み出しているかを確認できます。
5. コンバージョンを最適化に活用する
同じコンバージョンデータをキャンペーンの最適化に活用できるため、インプレッションやクリックにとどまらず、選んだキャンペーン目標に照らして成果を評価できます。
よくある測定ミス
キャンペーンの成果を歪めるよくある測定ミスは次の5つです。
- ラストクリックだけに頼ると、それ以前にトレーダーを呼び込んだり後押ししたりしたチャネルが見えにくくなります。
- 不適切なアトリビューションウィンドウを使うと、本来のコンバージョンを取りこぼしたり、後のイベントが促した取引をキャンペーンの成果として計上したりします。
- ビュースルー コンバージョンを考慮しないと、ディスプレイ、ネイティブ、動画、CTV のキャンペーンを過小評価します。
- 誤ったコンバージョンイベントで最適化すると、入金や取引に至るトレーダーが少なくても、安価な登録が成功に見えてしまいます。
- アトリビューション設定が異なるキャンペーン同士を比較すると、成果の差が実際より大きく見えることがあります。
同じデータから、何を最適化し、どこで規模を拡大すべきかもわかります。あるターゲットオーディエンスがより多くの入金済みトレーダーをもたらす、あるクリエイティブが KYC 完了率を高める、あるチャネルがより高い LTV を生むといった傾向が見えれば、有望な機会がどこにあるかを判断できます。
広告費を増やす際は、その成果が維持されるか、低下し始めるかを注視しましょう。
最適化すべき点と拡大すべき点を見極める
最初のキャンペーンは、今後のキャンペーンの基準となるベースラインをもたらします。通常の CAC、KYC 完了率、入金済みトレーダー率、トレーダー価値を把握すれば、成果の変化をはるかに見つけやすくなります。
このベースラインがあれば、規模拡大も根拠に基づいて判断できます。予算の追加によって同等の経済性でより価値の高いトレーダーを獲得できているのか、それとも高いコストで量だけが増えているのかを確認できます。
具体的に進める準備ができましたら、Blockchain-Ads への広告出稿を申請し、審査プロセスでキャンペーン目標や成果指標についてご相談ください。
